【伊賀市】gallery yamahonを訪問|Cafe & Library Nokaの魅力




藤井寺市で設計事務所をしているHTAです。
前回ご紹介した伊賀市探訪の続きとして、今回は以前から訪れてみたかったgallery yamahonへ伺いました。
建築や工芸、暮らしに興味のある方なら、一度は耳にしたことがある場所ではないでしょうか。ギャラリーとカフェ、ライブラリーが一体となったこの場所には、作品を鑑賞するだけではなく、建築や空間そのものを楽しめる魅力があります。
現在進めている店舗兼事務所の設計にも通じる発見が多く、設計者としても多くの刺激を受けた一日となりました。
01|まずはCafe & Library Nokaでゆっくり過ごす
gallery yamahonを訪れたら、まず立ち寄りたいのが併設されているCafe & Library Nokaです。
店内へ一歩足を踏み入れると、外の喧騒とは少し切り離されたような穏やかな時間が流れています。華美な装飾はありませんが、光の入り方や家具の配置、素材の選び方まで丁寧に考えられていて、自然と腰を下ろしたくなる居心地の良さがあります。
今回は人気のレアチーズケーキをいただきました。
ほどよい酸味とやさしい甘さで、暑い季節にもぴったり。空間の落ち着いた雰囲気ともよく合い、建築を眺めながらゆっくり過ごす時間をより豊かなものにしてくれました。
伊賀方面を訪れた際には、ぜひ味わっていただきたいおすすめの一品です。
建築を見学すると、どうしても納まりや素材ばかりに目が向いてしまいます。しかし、本当に良い空間というのは、「何もしない時間」が自然と心地よく感じられる場所なのだと改めて実感しました。
02|建築好きにはたまらないライブラリー
Cafe & Library Nokaの大きな魅力のひとつが、このライブラリーです。
設計事務所が運営していることもあり、店内には建築やデザイン、工芸に関する書籍が数多く並んでいます。
現在でも手に入る定番の名著から、今ではなかなか目にする機会のない古い専門書まで揃っており、建築好きにとってはまさに宝箱のような空間です。
背表紙を眺めているだけでも楽しく、「学生時代に読んだ本だ」と懐かしくなったり、「こんな資料が残っていたのか」と新しい発見があったりと、つい時間を忘れてしまいます。
インターネットですぐに情報が手に入る時代ですが、本だからこそ出会える知識や偶然があります。
設計をしていると、「なぜこの素材なのか」「どうしてこの空間は心地良いのか」と考えることがよくあります。その答えのヒントが、こうした本の中に残されていることも少なくありません。
建築が好きな方であれば、このライブラリーだけでも十分訪れる価値のある場所だと思います。
03|コンクリートブロックがつくる柔らかな空間
店内で特に印象に残ったのが、白く塗装されたコンクリートブロックによる空間づくりです。
コンクリートブロックというと、外構や倉庫など無機質で少し硬い印象を持たれる素材ですが、白く塗装することで空間全体がやわらかく感じられます。
ブロック特有の凹凸が光を受け、時間帯によってさまざまな表情を見せてくれるのも魅力的でした。
現在、HTAでは藤井寺市で店舗兼事務所の設計を進めています。
その建物にも既存のコンクリートブロックが使われており、それを活かしながら改修する計画です。
今回実際にこの空間を体験したことで、「既存の素材を残しながら、新しい価値を加える」という考え方を改めて学ぶことができました。
同じコンクリートブロックという素材でも、色や光の当たり方、周囲の素材との組み合わせによって印象は大きく変わります。
図面や写真だけでは分からない素材の質感やスケール感を体感できたことは、現在進めている設計にも大きな学びとなりました。
今回見学して感じたのは、「新しい素材を加えること」よりも、「今ある素材の魅力をどう引き出すか」という設計の面白さです。既存のコンクリートブロックを活かす藤井寺の店舗兼事務所でも、この体験を思い出しながら設計を進めていきたいと思います。
04|生活工芸展と建築が切り取る風景
隣のギャラリーでは生活工芸展が開催されていました。
展示室内は撮影不可だったため写真ではご紹介できませんが、器や生活道具、家具などが丁寧に展示され、作品だけでなく空間全体が静かな雰囲気をつくり出していました。
伊賀方面へ行かれる方は、ぜひ実際に足を運んで体感していただきたい展示です。
展示を見終えて外へ出ようとしたとき、出入口から見える風景がとても印象に残りました。
建築が周囲の景色を額縁のように切り取り、一枚の絵のように見せてくれます。
ギャラリーは作品が主役の空間ですが、その作品を引き立てるための建築の存在も決して小さくありません。
光の入り方や開口部の位置、視線の抜け方まで丁寧に設計されており、季節や時間によって変わる外の景色までも展示の一部として楽しめるように感じました。
建築とは、ただ建物をつくることではなく、その場所でどのような体験を生み出すかを考える仕事なのだと改めて実感しました。
05|建築と暮らしをゆっくり考えられる場所
gallery yamahonは、派手な演出や目新しい仕掛けがある施設ではありません。
しかし、建築、工芸、本、カフェ、庭、そして風景が自然につながり、「暮らしを楽しむ」というひとつのテーマのもとに丁寧にまとめられています。
作品を展示するだけではなく、その作品がある空間、その空間で過ごす時間まで含めてデザインされていることが、この場所の大きな魅力なのだと思います。
設計者としても、「良い建築とは何か」を改めて考えさせられる場所でした。
目立つ建築ではなく、人が自然と長居したくなり、また訪れたくなる建築。
そんな空間づくりを、HTAでもこれからの設計に活かしていきたいと思います。
伊賀市を訪れる際は、ぜひgallery yamahonとCafe & Library Nokaへ立ち寄ってみてください。
建築が好きな方はもちろん、静かな時間を過ごしたい方にもおすすめできる、とても素敵な場所でした。
gallery yamahon・Cafe & Library Noka 施設情報
gallery yamahon
- 住所:〒518-1325 三重県伊賀市丸柱1650
- 開廊時間:11:00~17:30
- 定休日:火曜日・水曜日(展示替え期間などは変更の場合あり)
- 公式サイト:https://gallery-yamahon.com/
Cafe & Library Noka
- 営業時間:11:00~17:30(L.O.17:00)
- 定休日:火曜日(営業日はギャラリーに準じます)
- おすすめ:レアチーズケーキ
※アクセスマップは記事下部をご覧ください。
