2026-08-24

枚方市|高低差を生かすスキップフロアのモデル住宅スタディ

枚方市の高低差のある敷地を再現した100分の1模型

大阪府藤井寺市を拠点に、住宅・店舗・リノベーションなどの設計を行っている一級建築士事務所 谷口弘和設計室|HTAです。

枚方市にある高低差の大きな敷地で、モデル住宅の計画を検討しています。

まずは敷地を1/100の模型にし、図面だけではつかみにくい高低差や周辺との関係を立体的に把握できるようにしました。

敷地模型は、スタッフの久富が既存図や現地調査資料を読み込みながら作成しました。建物を考える前に敷地そのものを正確につくることで、地面の高さ、アプローチの取り方、道路や隣地との関係が見えやすくなります。

外部階段と擁壁により大きな高低差が生まれている枚方市の現地

現地の写真を見ると、道路から敷地の奥へ向かって高さが大きく変化し、外部階段や擁壁が複雑に組み合わさっていることが分かります。

模型では、外部階段の段数や位置、擁壁の勾配などもできる限り忠実に再現しています。高低差のある敷地では、こうした既存条件を制約として捉えるだけでなく、住まいの構成を生み出す手がかりとして読み取ることが大切です。

4つの床レベルに白いボリュームを配置したスキップフロアのスタディ模型

次に、床の高さごとに白いボリュームを配置し、スキップフロアの構成を検討しました。

敷地の高低差を受け止めながら1階から2階へ上がるには、床の高さを含めて約4.5mの移動が必要です。これを一度に階段で上がるのは負担が大きいため、床のレベルを4つに分け、少しずつ上がっていく案をつくりました。

久富は柏原の二世帯住宅の実施設計図と格闘していて忙しいので、このスタディ模型は私がつくりました(笑)。手を動かしながら考えることは好きなので、模型をつくって空間のつながりを確かめていく時間はやはり楽しいです。

柏原の二世帯住宅を久富が模型でスタディしていた様子は、以前のブログ「柏原の改修|二世帯住宅の設計打合とスタッフの成長」でも紹介しています。

模型を眺めていると、4つの異なる床の高さができ、それらを少しずつ上がっていく構成が見えてきました。

床を上がるたびに視点の高さや向きが変わるため、外の景色を平面的な一方向の眺めとしてではなく、移動に合わせて立体的に取り込めそうです。

また、1階から2階まで約4.5mある高さを生かせば、一般的な住宅ではなかなかつくれない、大きく吹き抜けた開放的な空間も生まれそうです。敷地の高低差を断面構成へ取り込むという考え方は、設計事例「八幡の二世帯住宅―更新される農地/構築される長屋―」にも通じるところがあります。

一方で、上がっていく途中の床は動線としての性格が強くなり、落ち着いた居室を配置するのは難しそうです。どこを人が通る場所にし、どこを長く過ごす居場所にするのか、断面と平面を行き来しながら整理する必要があります。

開放的な空間や景色の取り込み方という可能性と、動線や居室配置の難しさ。模型をつくることで、図面だけでは気づきにくいことがいろいろと見えてきます。

正面から床レベルと空間のつながりを確認するモデル住宅のスタディ模型

正面から見ると、4つに分かれた床が敷地の高低差に沿いながら連続し、それぞれの空間が緩やかにつながっている様子が分かります。

スキップフロアは、単に床をずらして変化のある空間をつくるためのものではありません。今回の計画では、敷地を大きく造成せず、もともとの地形を住まいの内部へ取り込むための方法として検討しています。

モデル住宅として求められる全体の床面積とコストのバランス、日常的に高低差を行き来しやすい動線、各階の居場所のつながりなどを一つずつ整理しながら、この敷地だからこそ生まれる住まいの可能性を探っています。

まだ検討の初期段階ですが、模型をつくり、眺め、手を動かして修正することを繰り返しながら、計画を少しずつ具体化していきます。


谷口弘和設計室|HTAは、大阪府藤井寺市を拠点とする一級建築士事務所です。

藤井寺市をはじめ、柏原市・羽曳野市・八尾市・松原市・富田林市・枚方市など大阪府内を中心に、新築住宅の設計、リノベーション、店舗設計などを行っています。

土地探しからの新築住宅はもちろん、変形地や高低差のある土地、狭小地など、条件の難しい土地についても、敷地の特徴を生かした建築をご提案します。

高低差のある土地での住宅設計や、設計事務所・建築家へのご相談を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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