2026-08-10

フィンランド建築巡り|アルヴァ・アアルトのCafe Aalto

cafe aalto フィンランド かもめ食堂

cafe aalto フィンランド かもめ食堂

cafe aalto フィンランド かもめ食堂

藤井寺市で設計事務所をしているHTAです。

以前、北欧を代表する建築家、アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)の建築を見るためにフィンランドを訪れました。

建築だけでなく、家具や照明、ガラス製品など、暮らしに関わるさまざまなものをデザインしたアアルト。フィンランドでは実際にいくつものアアルト建築を見て回ることができたので、これから少しずつ紹介していこうと思います。

まずは、ヘルシンキ中心部にあるCafe Aalto(カフェ・アアルト)から。

1.アアルト設計のアカデミア書店にあるカフェ

Cafe Aaltoがあるのは、ヘルシンキ中心部に建つアカデミア書店(Academic Bookstore)の2階。

建物はアルヴァ・アアルトの設計によるもので、1969年に完成しました。

大きな吹き抜けを中心に書店が広がり、天井には特徴的なトップライトが設けられています。外から見ると比較的閉じた印象の建物ですが、内部に入ると上部から自然光が落ちる、明るく開放的な空間が広がっています。

このアカデミア書店自体も非常に見どころの多い建築なので、また別の記事でまとめたいと思います。

そしてCafe Aaltoは、フィンランドを舞台にした映画『かもめ食堂』のロケ地のひとつとしても有名です。

建築やデザインが好きな人だけでなく、映画をきっかけに訪れる人も多い場所。ヘルシンキの街を歩きながら、映画に登場した場所を巡ってみるのも楽しみ方のひとつです。

Cafe Aalto 公式サイト

2.贅沢に並ぶ「ゴールデンベル」

店内に入って、まず目を引くのが天井から吊り下げられた金色のペンダントライトです。

アアルトがデザインした名作照明、A330S「Golden Bell(ゴールデンベル)」

1937年にヘルシンキのSavoy Restaurantのためにデザインされた照明で、その名の通りベルのような小さなシェードが特徴です。

一灯だけでも存在感のある照明ですが、Cafe Aaltoでは、ゴールデンベルがこんなにも贅沢に並んでいます。

同じ照明が一定の間隔で繰り返されることで、一つひとつの照明器具というよりも、空間全体をつくる建築的な要素のように感じられます。

名作照明を単体で見るのとはまた違い、実際の空間の中で、どのような高さに、どのような間隔で配置されているのかを見ることができるのも、現地で建築を見る面白さです。

Artek|A330S Golden Bell

3.天井の装飾がそのままファサードになる

もうひとつ印象に残ったのが、Cafe Aaltoの天井とファサードのつくり方です。

店内の天井には細い材が一定の間隔で並び、そのラインがカフェの中だけで終わらず、そのまま店の外側まで伸びています。

壁を立てて「ここからがカフェ」と明確に区切るのではなく、天井の装飾を外まで伸ばすことで、カフェの領域をつくっている。

正面から見ると、その天井のライン自体がCafe Aaltoのファサードになっています。

書店という大きな空間の中にありながら、完全に閉じることなく、Cafe Aaltoとしての場所をつくる。

こうした空間の領域のつくり方は、とても参考になりました。

4.建築、家具、照明を一緒に見る

アアルトの建築を実際に見て回って感じたのは、建築だけを切り離して見ることが難しいということでした。

建築があり、その中に家具があり、照明があり、それらが一体となって空間をつくっています。

Cafe Aaltoも同じです。

ゴールデンベル一灯だけを見ればプロダクトデザインですが、それが何灯も並び、天井や家具、そしてアカデミア書店の大きな建築空間と組み合わさることで、ひとつの風景になっています。

写真や図面で知っていたものでも、実際にその場所に立ってみると、照明の高さや家具との距離、素材の見え方、人が入ったときのスケール感など、新しく気づくことがあります。

建築を実際に見に行く面白さは、そんなところにもあるのだと思います。

フィンランドでは、このほかにもいくつものアアルト建築を見て回りました。

お盆はゆっくりできるので、当時撮った写真を見返しながら、これから少しずつ紹介していこうと思います。

Cafe Aalto Helsinki
Academic Bookstore 2F
Pohjoisesplanadi 39, Helsinki, Finland

Cafe Aalto 公式サイト

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